社会福祉協議会とは
「社協」の略称でも知られている社会福祉協議会は、昭和26年(1951年)に制定された社会福祉事業法(現在の「社会福祉法」)に基づき設置されている、民間の社会福祉活動を推進することを目的とした「非営利の民間組織」です。
 社会福祉協議会は、それぞれの都道府県、市区町村で、地域に暮らす皆さまのほか、民生委員・児童委員、社会福祉施設・社会福祉法人等の社会福祉関係者、保健・医療・教育など関係機関の参加・協力のもと、地域の方々が住み慣れたまちで安心して生活することができる「福祉のまちづくり」の実現をめざしたさまざまな活動を行っています。

▽ 社協のめざすもの

 全国社協が制定した「新・社会福祉協議会基本要項」では「住民主体の理念に基づき、地域の福祉課題の解決に取り組み、誰もが安心して暮らすことのできる地域福祉の実現」を目指すとしています。また、社会福祉法では、その目的を「地域福祉の推進を図ること」としています。
 社協は、地域福祉の考え方を基本とし、ニーズを持つ人が、できるだけ地域社会との関係を断たずに生活できること、それを行政制度だけでなく、隣人・友人が支えることが大切であるという考え方にたって事業をすすめています。

▽ 社協の組織

 社協は、広く社会福祉・地域福祉にかかわる個人・団体の参加を得て、活動しています。
「社会福祉・地域福祉にかかわる個人・団体」の一つの柱は「住民」。
もう一つの柱は「社会福祉を目的とする事業関係者」です。
 社会福祉・地域福祉は、特別な方のためのものではなく、すべての住民にかかわるテーマとなっています。住民を社会福祉・地域福祉の関係者と位置づけ、広く住民に参加を求めることが、社協にとって重要なこととなっています。
 一方、社会福祉を目的とする事業の関係者が社協に参加するのは、同業者が単に集まるという意味ではなく、ともに協働して、社会福祉・地域福祉を推進するためと意義づけられています。

▽ 社協が実施する事業

社協の事業は幅広いものですが、次のように4つの部門に分けて考えることができます。

◆法人運営部門
事業全体の管理、総合的・計画的な事業執行を行うための組織管理

◆地域福祉活動推進部門
住民参加による地域福祉の推進。福祉のまちづくり推進、ボランティア活動・市民活動推

◆福祉サービス利用支援部門
地域の福祉サービス利用者支援

◆在宅福祉サービス部門
介護保険・支援費制度、その他の在宅福祉サービスの実施

 法人運営部門は、事業と組織の管理を行う部門で、全体を支えるものとなります。その上で、地域福祉活動推進部門という、社協らしい部門の事業を中心にしながら、福祉サービス利用支援部門、在宅福祉サービス部門の各事業の展開をはかっていくこととなります。
 福祉サービス利用支援部門は、利用者の福祉サービス利用支援に始まり、権利擁護機能も含まれるため、在宅福祉サービス部門とは分けた組織にすることが重要と考えられています。
 福祉ニーズを持つ地域住民の生活を具体的に支えることであり、事業もそれに向けて展開されます。
 地域福祉活動推進部門が基礎になることにより、社協らしい事業展開が行われることになります。

▽ 社協の法的な位置づけ

 社協は民間団体ですが、社会福祉法に位置づけられています(市町村社協、政令指定都市の区社協、都道府県社協および全国社協)。

 第109条 市町村社会福祉協議会は、・・・・・・次に掲げる事業を行うことにより地域福祉の推進を図ることを目的とする団体であって、・・・・・・

  社会福祉を目的とする事業の企画及び実施
  社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助
  社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整及び助成
  前三号に掲げる事業のほか、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業
 第110条 都道府県社会福祉協議会は、・・・・・・次に掲げる事業を行うことにより地域福祉の推進を図ることを目的とする団体であって、・・・・・・

  前項第1号各号に掲げる事業であって各市町村を通ずる広域的な見地から行うことが適切なもの
  社会福祉を目的とする事業に従事する者の養成及び研修
  社会福祉に目的とする事業の経営に関する指導及び助言
  市町村社会福祉協議会の相互の連絡及び事業の調整

▽ 全国的なネットワークとしての社協

 社協は、すべての市町村、政令指定都市の区、都道府県、そして全国の段階に組織されています。さらに、法に規定はされていませんが、郡社協が組織されている県もあります。

 社協は、それぞれ独立した組織であり、本社・支社の関係はなく、逆に市町村社協が都道府県社協を構成し(区社協が政令指定都市社協を構成し)、都道府県社協が全国社協を構成するという組織形態になっています。

 各社協は、そのメンバー(会員)が事業を決めていますが、共通の目標を持つ社協のネットワークの中で、お互いの情報交換、意見交換、交流をさかんに行っており、その中から、全国で取り組む新たな考え方、事業が生まれてきています。都道府県社協や全国社協から出ている指針などは、社協ネットワークの中から出てきた実践や考え方を整理し、それをネットワークに提案しているものとなります。




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